古き良き街並みが今なお残る寺町 谷中。
なかなか遊びに行く機会がない場所ですが、最近ではおしゃれなお店やギャラリーも増え、海外の人や若い人も多く訪れる町へと変貌を遂げています。
そんな魅力たっぷりの「谷中」周辺を散策。
JR 山手線で恵比寿の真逆に位置する日暮里駅。
「谷根千」で知られる谷中も最寄りはこの日暮里駅になります。
谷中にも美味しいお店がたくさんありますが、この日は洋食を求めて日暮里駅近くのレストラン「オックス」へ。
〇十年ぶりの訪問です。笑
こちらは昭和48年創業の老舗洋食屋さん。
オフィスビルの1階にあるため、平日のランチタイムはサラリーマンやOLの方々で賑わっています。
店内は結構広め、調度品も昭和な香りがプンプンしてきます。
写っていませんが奥にはTVもありワイドショーが流れています。
うん、完璧昭和。
そんな中頼んだのはこちら、洋食屋さんと言えばのミックスフライ。
ヒレカツにエビ、ホタテと間違いないやつ。
このタルタルソースもクオリティ高めで美味。
そしてこちらも洋食屋さんでないと出会えないポークソテー。
肉厚なソテーにデミグラスソースで、ご飯が進む、進む。
この他にもオムライスやカレーピラフ、グラタンにドリアなど気になるメニューが盛りだくさん。
ファミレスでは味わえない、ノスタルジックな雰囲気の中で頂く洋食はなかなかいいもんです。
一番気になったのが隣のテーブルのサラリーマン3人組が食べていた「ステーキランチ」。
熱々の鉄板に乗ったステーキがとにかく美味しそう。
がしかし、ランチでお値段3600円。
普段のランチにはちょっと無理。泣
この日は洋食ランチでしたが、日暮里周辺でおすすめのランチがもう1軒。
それがこちらの「中国手打拉麺 馬賊」さん。
こちらも昭和52年創業という老舗のラーメン屋さんです。
ここはとにかく大人気、時間を問わず常に並びが出来ています。
「馬賊」のウリと言えば店頭で大きな音を立てて打たれる自家製手打ち麺。
これがとにかくすごい。ちょっとお店揺れてません?っていうぐらいバシバシ大きな音を立てて麺が打たれています。
麺打ちの目の前の席だと会話もままならないほど。初めてだとちょっと驚くレベルです。笑
人気のメニューは「担々麺」。
たいていの人がこれを食べている気がします。
ですが・・・
辛いのが苦手なので、私自身は食べたことはありません。笑
私がここで注文するのは、こちらの「五目焼きそば」。これ一択。
いわゆる醤油ベースのあんかけではなく、塩味ベースのあっさりとした焼きそば。
手打ちの麺は太さもばらつきありますが、モチモチの弾力が最高なんです。
写真はないのですが、餡がしっかりと詰まった餃子も抜群です。
辛いの苦手でなければ、是非「担々麺」食べてみて下さい!!
腹ごしらえをすませた後は、日暮里駅から谷中霊園を突っ切って上野方面へ向かいます。
日暮里駅から10分ほど歩いた場所にあるのが、今回一番の目的だったパン屋さん。
お店は築85年を超える古民家3棟を再生した「上野桜木あたり」というなんだかあいまいなネーミングの複合施設内にあります。
こちらがその「Think」さん。
百名店ではありませんが、食べログ評価3.84という驚異のパン屋さん。
「サダハル・アオキ・パリ」出身のパティシエ仲村和浩さんと青山の「ゴントラン シェリエ」や代官山の「GARDEN HOUSE CRAFTS」 で腕を磨いてきたパン職人 鈴木嵩志さんのお2人が営んでいます。
代官山の「GARDEN HOUSE CRAFTS」さんは、SDからも近いのでよく利用している大好きなパン屋さんなだけに期待しかありません。
1時過ぎにお店に着いた時点で売り切れ続出。
多ければ30種類は並ぶというパンも僅か数種類、超人気店だとわかっていたのに完全になめてました。
とはいえ、このミルクフランスやあんバターなど人気のパンも残っていたのでどうにか一安心。
ミルクフランスはソフトなフランス生地を使用していて、少し硬さのあるクリームがぎっしりと詰まっています。
このクリームがまた濃厚でたまらない美味しさ。
大好きなバゲットもベーシックなものとオリーブのものとをそれぞれゲット。
高加水のパンを追求してきた鈴木さんの作るバゲットはパリっと薄く香ばしいクラストに、もっちり柔らかいクラムが最強のバランスです。
オリーブのバゲットは、フレッシュなオリーブがごろごろ。程よい塩気もありチーズやトマトとの相性も抜群。
試しにキノコのソテーとチーズをのせてトーストしたら最強調理パンが完成しました。
酸味が強いカンパーニュですが、ここのはクセのない爽やかな酸味でとても食べやすいです。
バゲット以上にクラムのもちもち感が味わえるのでおすすめです。
外観はまさに古民家ですが、とてもお洒落な雰囲気のお店でした。
Thinkを出て東京藝大の方へ向かっていくとあるのが「SCAI THE BATHHOUSE」。
こちらは「柏湯」という200年の歴史を持つ由緒ある銭湯を改装した現代アートに特化したギャラリースペースとなっています。
過去には横尾忠則の個展も幾度と行われているアート好きには人気のスポット。
現在は嵯峨篤さんという方の個展「Synchronicity」が開催されています。
家具などに使われるMDFを素材とした現代アート、気になる方はチェックしてみてください。
「SCAI THE BATHHOUSE」と同じ通り沿いにあるのが「カヤバ珈琲」。
こちらも今回の目的の一つで、百名店にも選出されている昔ながらの喫茶店です。
店舗となる建物は大正初期に建てらたもの。なんと100年越えです。
昭和13年に開業した「カヤバ珈琲」は先代が亡くなり一度は閉店するものの、2009年に見事復活を遂げました。
内装も天井やキッチンなど多少の修繕はしているものの当時の面影がしっかりと残っています。
写真はありませんが、以前はオーナーの住居だったという2階の和室も現在は客席として利用されています。
喫茶店で畳とちゃぶ台。これはこれで、かなり新鮮な気がします。
滑らかプリンをプリンとは認めていない私。笑
やはり硬めで苦味のあるキャラメルソースがかかった昔ながらのプリン、これしかないかと。
「カヤバ珈琲」さんのプリンも例に漏れず昔ながらのプリン。
上に乗ったクランチが香ばしくて食感も良く、めちゃくちゃ美味しかったです。
この日はデザート目的でしたが、ここはタマゴサンドが大人気だそう。
次回行く機会があればランチ目当ても良さそうです。
こちらのお店は席が空いていれば入店できますが、満席の場合は並ぶのが禁止されているので出直さなければいけません。また時間をおいて来てくださいと案内されますが、そんなタイミングよく席が空くかどうか・・・
今回たまたま席が空き運良く入れましたが、こちらに行かれる際は予約するのがおすすめです。
寺町で知られる谷中。
プリンを消化すべく、徳川家の菩提寺として有名な「東叡山 寛永寺」までお散歩。
有名といえど意外と知らない方も多い寛永寺。
ここには6名の歴代将軍が埋葬されている「德川歴代将軍御霊廟」なるものがあります。
門だけでも只者ではないオーラが。
この御霊廟には徳川将軍15人のうち6人(家綱、綱吉、吉宗、家治、家斉、家定)の方が眠っています。
そして御霊廟とは別に谷中霊園の寛永寺墓地には最後の将軍 15代徳川慶喜のお墓もあります。
まさに12月のブログで紹介した二条城二の丸御殿の大広間で「大政奉還」を行ったあの徳川慶喜のお墓です。
この他に「大政奉還」後の混乱を抑えるため慶喜が謹慎生活を送っていた「葵の間」もこの地にあります。
いや~、なんか感慨深い。
もちろん中には入れませんが、門にはしっかりと葵の紋が。
これもまたテンション上がりますね。
この他にもここ谷中霊園内には渋沢栄一さんなど偉人のお墓がたくさんあります。
実は私の母校。笑
幼稚園も母校って言うのかわかりませんが、まあ伝われば。
園庭が土から芝生に変わっていましたが、建物は当時のまま。
今見るとなんだかおしゃれな気がします。
園長先生はもちろん寛永寺の住職さん。なかなか教育に厳しい幼稚園です。
そして私の遠い記憶では、たまに寛永寺のお寺で座禅を組まされていたような・・・
今考えると寛永寺で座禅だなんてかなり貴重な体験だったんだなと思います。
そんな懐かしさに浸りながら、谷中銀座商店街を抜けて次の目的地へ。
日暮里駅にほど近い場所にある「中野屋」さん。
ここは1923年創業のつくだ煮専門店です。
カヤバ珈琲もそうですが、この辺りには古くからこの地で営業している老舗のお店が本当に多いですね。
お店の奥で袋詰めを行っていたため写真が取れなかったのですが、他ではあまりみかけないマグロの佃煮をお土産に購入。実は母がここのマグロの佃煮が好きなんです。
こちらの佃煮は味がしっかりしているので、おにぎりの具にしたり、お茶漬けで頂いたりしています。
恥ずかしいという気持ちは捨てて、大好きなあんずを大量購入。
大満足で帰路につきました!!
今回は日暮里駅周辺と谷中というコースでしたが、人気の谷中・根津・千駄木散策も面白そうだし、谷中から上野に抜けて美術館巡りなんかも良さそうです。
今回紹介したお店以外にもスイーツやかき氷専門店、天ぷら屋さんなど、百名店のお店が盛りだくさん。
昔ながらの街並みだけでなく食も楽しめる谷中界隈、気になった方は是非。